日本の首都―――東京。
大小様々な建物が建ち並び、一日中様々な人が行き交う場所。
眠らない街とも呼ばれ、ネオンは真夜中になっても消えることがない。
東京には、少し変わった人間達がいた。
見た目は普通の人間と何ら変わりはないが、様々な『特殊能力』を持っている。
例えば、未来を視る能力。
例えば、自然を操る能力。
例えば、モノを動かす能力。
例えば、傷を癒す能力。
それらの能力を持った人間を『異能者』と呼ぶ。
しかし警察には異能者を『異端』と侮蔑し、異能者を捕まえる側の組織がある。
異能者を捕まえる為の『警視庁異能捜査課(通称異捜)』、マスコミ対応や雑務などを担当する『警視庁異能庶務課』、異能者についての研究をし、科捜研の様な役割を果たす『警視庁異能研究課』に分類され、この三つの課を総称したのが『異能課』だ。異能者の捕獲はあくまでも内密に進められているため、この組織が明るみになることはない。
そして、異能者もいくつかの派閥に分かれている。
まずは異能を積極的に使い、グループを作って「自分は一般人より優れている」という認識を持っている者が多い『過激派』。一方、警察から身を潜め、異能もなるべく使わずに一般人と同じような生活を送る『保守派』。その両方に属さない『中立派』。大きく分けてこの三つに分類される。
今回の舞台は、東京の中でも多くの人が行き来する―――新宿。
その中心地から少し外れた場所にあるビルの二階にある、『四ッ谷探偵事務所』。
そこにいるのは、
仲間思いの探偵と、
少しだけ不器用な強運持ちと、
神出鬼没のヒーローと、
常に前向きな探偵助手と、
小さな頑張り屋。
この物語は、探偵事務所に集う者達の、―――過去を断ち切る物語。
(枝の葉が散る頃、彼等は邂逅を果たす)[2回]
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